消費税増税

　消費増税の延期によって、国と地方で計１千兆円を超える巨額の債務を抱える財政の一段の悪化は避けられないとされています。国と地方の債務残高は、年３０兆円前後のペースで増え続けています。国内総生産（ＧＤＰ）に対する比率は、先進国で最悪の水準です。

　希望の党は消費増税に反対の立場で、企業の内部留保への課税で財源を確保すべきだと主張。立憲民主党は「中長期的には必要だが、政治の信頼が失われた現在では上げる状況にない」としています。

消費税増収分の使途変更

　安倍晋三首相は今回の衆院解散の大義として、消費増税時の使途変更を打ち出しました。２０１９年１０月に予定される消費税率１０％への引き上げに伴って税収の使い道を変更し、国の借金返済から幼児教育の無償化や高等教育などに２兆円を振り向ける方針です。

年金支給開始年齢引き上げ

　今の基礎年金は６５歳から支給されていますが、希望者は受け取り始める時期を遅らせる「繰り下げ受給」を選ぶこともできます。１カ月遅らせるごとに、将来の受給月額が０・７％ずつ割り増しされます。ただし、繰り下げは最大で５年間、７０歳までしか認められていません。

　厚労省は、この期間を５年延長し、７５歳までとする案を検討しています。

　一方、このような希望者だけの制度ではなく、支給開始年齢を全員一律に６７～６８歳程度まで引き上げ、代わりに年金額を増やすという案もあります。