安倍政権は2014年7月、歴代内閣が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使を容認し、15年9月には行使を可能とする安全保障関連法を成立させました。「憲法違反」との批判に対し、首相は中国や北朝鮮の脅威なども挙げ、その必要性を強調。在任中の改憲実現に強い意欲を示しています。
一方、野党第1党の民進党は、こうした動きを憲法に基づく「立憲主義」の破壊と批判し、対決色を強めています。護憲を掲げる共産、社民両党のほか、生活の党と共に安保法廃止、改憲阻止で足並みをそろえています。
ミニ解説
憲法改正についてどう考えますか。
自民党が2012年に公表した憲法改正草案には、現憲法には規定がない「緊急事態条項」が盛り込まれました。大規模災害や外国からの武力攻撃の際、緊急事態宣言に基づく首相の権限強化のほか、国民の生命を守るためには「何人も国や公の機関の指示に従わなければならない」と権利制限に踏み込んでいます。
この案に関しては、権力の乱用により不当な人権制約につながりかねないとの批判が出ています。
大規模災害や外国による武力攻撃など有事に首相の権限強化や衆院の任期延長などを盛り込んだ「緊急事態条項」の制定についてどのように考えますか。
安倍首相は2016年4月、テレビ番組で、憲法9条の改正に意欲を示しました。非常時に政府へ権限を集中させる「緊急事態条項」などから議論を進める意向とみられます。
連立与党の自民、公明両党は衆院で、憲法改正の国会発議に必要な3分の2以上を占めており、参院選で勝利して参院でも3分の2以上を確保したい考えです。
一方、野党で最も議員が多い民進党では意見が分かれています。平和主義を固く守るため、9条改正反対派もいれば、自衛隊の存在を明確にするために自衛権の明記を求める人もいます。
戦争放棄などを定めた9条改正についてどのように考えますか。
法律で夫婦同姓を義務づけていることが確認できるのは日本だけです。結婚後も夫婦が別姓を選べる制度の導入案は、1996年に公表され、民法改正案も作られています。2009年の民主党への政権交代後、国会に提出する一歩手前までいきましたが、保守系議員から「家族が崩壊する」と反対の声が上がりました。
国会の審議が進まない一方で、夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法に違反するかが最高裁で審議されました。判決では「違反しない」との結論を出しましたが、国会での議論を促しています。
「結婚後も夫婦が結婚前の名字を名乗れるよう法改正すべきだ」という見解についてどのように考えますか。
※「無回答」の中には、回答の選択肢の中から回答を選ばなかった立候補者も含まれています。